安定期
誰も動かない日々、動かそうとしない日々。
不登校安定期……
(当時はそんな言葉を知りませんでしたが)
診療内科で言われた「しばらく休んで良い」
この言葉に、サツキは安心したのだと思います。
読んだ本の中に不登校を高速道路にたとえる話しがありました。
車線を降り、一休みしているのが不登校。
また車線に戻ろうとする時、加速しないと流れには入っていけない。
加速するエネルギーをためる必要があると......
サツキには休む時間が必要なのだと思いました。
大丈夫。少し休んだら学校へ戻れる。
春休み明け?
夏前?
サツキが行き始めたら、きっとメイも動くはず……
DS、Wii、などのゲームはやっていましたが、長時間ではありません。
サツキはパソコンでピグ、ar○shiのコンサートDVDを良くみていました
メイは録画したアニメやドラマを見ながらアイロンビーズ、折り紙。
リビングに居ても、ふたりが一緒に遊ぶことは滅多にありませんでした。
サツキは口数少なく、表情も暗い。
ほとんどをリビングで過ごしていました。
メイはリビングと私の部屋を行ったり来たり。
サツキとケンカになると私の部屋に来て何かを作っていました。
二人とも体調不良を訴えることは無くなっていましたが……
3月最初の日曜日にある、モダンバレエの小さな発表会。
サツキはその日に向けてレッスンしていました。
前々日の夜、サツキの様子が変わりました。
食欲が無く体調も悪そう。
前日のリハーサルは、お腹が痛いと言って不参加に。
当日の朝も同様、腹痛を訴え布団から出て来ないまま、
お休みしてしまいました。
学校へ行けなくなった時と全く同じ。
体調不良も無く上向きと感じていた頃でしたから、
何も変わっていなかったのだと、現実をつきつけられたようでした。
その日の夕方、
「もうバレエ、やめる」
「そうね、みんなに迷惑かけちゃったものね」
「ピアノもやめたいの」
「ピアノまで?」
「うん、もう無理……」
どうしよう、サツキがどんどん閉じていってしまう……
前から声をかけていただいていた不登校の親の会へ、行く事にしました。